CursorでAIが応答しない、チャットの読み込みが終わらない——そんなときは、原因を「サービス障害」「接続(ネットワーク)」「アカウント」「拡張機能・キャッシュ」の4系統に切り分けると、多くは数分で復旧できます。やみくもに再インストールする前に、まずどこで止まっているのかを特定するのが最短ルートです。この記事では、2026年時点の最新仕様と公式のトラブルシューティングにもとづき、症状別の切り分け手順と具体的な対処法を整理しました。
CursorでAIが応答しない主な原因【まず切り分け】
「応答しない」と一口に言っても、止まっている場所はいくつかあります。原因を先に絞り込めば、試す対処の数を大幅に減らせます。まずは大きく4系統で考えてください。
サービス障害と接続エラーを最初に疑う
自分の環境をいじる前に確認したいのが、Cursor側のサービス障害です。公式ステータスページ(status.cursor.com)で障害情報が出ていれば、原因は自分の端末になく、待つ以外の対処はありません。障害がなければ、次に多いのが端末とCursorのサーバー間の接続エラーです。とくに社内ネットワーク・VPN・プロキシ環境では、通信がブロックされてチャットだけが動かないケースが目立ちます。
アカウント・拡張機能・キャッシュも原因になる
接続に問題がなくても、サインイン状態が切れていたり、使用量の上限に達していたりすると応答は返りません。また、VS Code由来の拡張機能どうしの競合や、破損したキャッシュが原因で、特定のチャットだけ固まることもあります。CursorはVS Codeをベースにしているため、基本操作は共通ですが、AI通信まわりはCursor独自の設定が絡む点に注意が必要です。基本的な使い方から確認したい場合は、Cursorの使い方(初心者向け)もあわせて参照してください。
症状から原因を絞る早見表
編集部でつまずきやすいパターンを、症状から逆引きできる形でまとめました。まずは自分の状況に近い行を確認してください。
| 症状 | 可能性が高い原因 | 最初に試す対処 |
|---|---|---|
| チャットの読み込みが終わらない | 接続エラー・セッション蓄積 | 完全に終了して再起動/新規チャットで確認 |
| 「Connection failed」と表示される | HTTP/2非対応のVPN・プロキシ | HTTP互換モードをHTTP/1.1に切り替え |
| 再起動直後の1回だけ動きあとは無反応 | メモリリーク・セッション蓄積 | ウィンドウ再読込ではなく完全終了 |
| 補完もチャットも全滅 | サービス障害・サインイン切れ | ステータス確認/サインインし直し |
| 「Suspicious activity」等の警告 | VPN経由のアクセス | VPNを切って新規チャット・別サインイン |
| 急にリクエストが通らなくなった | 使用量の上限到達 | プランの使用状況を確認 |
まず試す基本の対処【5ステップ】
原因の見当がついたら、影響が小さく効果の高い順に試します。ここまでで大半のケースは解決します。
ステップ1:ウィンドウ再読込ではなく完全に終了して再起動
もっとも多い「再起動直後の1回は動くが、その後は無反応」という症状は、セッションの蓄積やメモリリークが疑われます。ウィンドウの再読込(Reload Window)ではなく、Cursorを完全に終了してから起動し直すのが確実です。タスクトレイやバックグラウンドに残っていないかも確認しましょう。VPNを使っている場合は、再起動でVPN由来の古いDNS設定をクリアできる効果もあります。
ステップ2:公式のネットワーク診断を実行する
Cursorには接続状態を自己診断する機能があります。Cursor Settings → Network → Run Diagnostics を実行すると、DNS・SSL・API・チャット・エージェントのストリーミングなど、どの通信でつまずいているかを個別に確認できます。ここで失敗している項目がわかれば、次に何を直すべきかが一気に絞れます。手順の詳細は公式のネットワークのトラブルシューティングで公開されています。
ステップ3:新しいチャットで切り分ける
特定の会話だけ固まる場合は、「+」から新規チャットを開き、「こんにちは」など短い指示を送ってみてください。新規チャットが応答するなら、原因は元の会話のコンテキスト(長すぎる履歴や壊れた添付)にあります。この場合は会話を作り直すのが早道です。全チャットが無反応なら、接続かアカウント側の問題です。
接続エラー(Connection failed)の直し方
社内PCやVPN利用時に頻出するのが接続エラーです。ここは原因が絞り込みやすく、対処も明確です。
HTTP互換モードをHTTP/1.1に切り替える
企業のプロキシやVPN(Zscalerなど)はHTTP/2のストリーミングを正しく通せないことがあり、これがチャットだけ動かない原因になります。Cursorの設定で HTTP互換モード(HTTP Compatibility Mode)をHTTP/1.1 に変更すると、多くの環境で接続が回復します。社内ネットワークで「Connection failed」が出るなら、まずここを試す価値があります。
VPN・プロキシを一時的に切って原因を特定する
VPNを一時的にオフにして応答が戻るなら、原因はVPN側です。恒久対処としては、Cursorの通信だけをVPNの対象外にする(スプリットトンネル)か、後述のドメインを許可リストに追加します。プロキシに認証がある場合は、Cursorの設定にプロキシ情報を登録してください。どうしても解決しない企業環境では、IT部門に許可設定を依頼するのが確実です。
許可すべき通信先ドメイン
ファイアウォールやプロキシで通信を制限している場合は、次のドメインを許可リストに加えると接続が安定します。
*.cursor.sh*.cursor-cdn.com*.cursorapi.com
出典: Cursor公式ドキュメント(Network troubleshooting)
それでも直らないときの確認ポイント
基本対処で解決しない場合は、接続以外の要因を順に潰していきます。
アカウント・サインイン系のエラー
「Suspicious activity(不審なアクティビティ)」などの警告が出る場合は、VPN経由のアクセスが弾かれている可能性があります。VPNを切り、数分待ってから新しいチャットを試すか、GoogleやGitHubなど別の方法でサインインし直すと復旧することがあります。サインアウト→サインインでトークンを更新するのも有効です。
拡張機能の競合・キャッシュ・バージョン
破損したキャッシュは、起動時のクラッシュ・チャットの固まり・補完の停止など幅広い不具合の原因になります。キャッシュを削除して再起動すると改善するケースが多いです。あわせて、すべての拡張機能を一度無効にして問題が消えるか確認し、消えるなら1つずつ有効化して原因を特定します。Cursor本体も最新版へ更新してください(Help → Check for Updates)。バージョン不整合が原因の不具合は、更新だけで直ることがあります。
使用量の上限に達していないか
急にリクエストが通らなくなった場合は、プランの使用量上限に達している可能性があります。無料のHobbyプランはプレミアムモデルの回数に上限があり、上限を超えると応答が返らなくなります。設定画面から使用状況を確認し、必要なら上位プランやクレジット追加を検討してください。エディタ連携型の他ツールと課金方式を比べたい場合は、ClineとCursorの違いと使い分けも参考になります。
編集部が実際に詰まった失敗例と教訓
ここでは、対処の順番を間違えて遠回りした実例と、そこから得た教訓を共有します。
「再インストール」に飛びつく前に確認すべきだったこと
あるとき編集部の環境で、突然チャットが全滅しました。最初にCursorのアンインストール→再インストールを試しましたが、症状は変わらず、設定と拡張機能を入れ直す手間だけがかかりました。あとから Run Diagnostics を実行したところ、失敗していたのはチャットのストリーミング通信だけで、原因は前日に有効化した社内VPNでした。VPNを切ると即座に復旧。再インストールは最後の手段で、先に診断機能で切り分けるべきだった、という典型的な失敗例です。
応答しないときにやってはいけないこと
逆説的ですが、応答が返らないときに同じプロンプトを何度も送り直すのは避けたほうがよいです。詰まった会話に送信を重ねると履歴が膨らみ、かえって復旧しづらくなります。反応がないと感じたら、まず送信を止めて新規チャットで切り分ける——この順番を守るだけで、無駄な待ち時間を減らせます。日本語UIで設定画面を確認したい場合は、Cursorを日本語化する手順を先に済ませておくと、診断メニューの場所を探しやすくなります。
まとめ|CursorでAIが応答しないときは「切り分け」から
CursorでAIが応答しないときは、次の順で切り分けるのが最短です。
- サービス障害の確認: status.cursor.com を見て、Cursor側の障害でないか確認する
- 完全再起動: ウィンドウ再読込ではなくアプリを完全終了して起動し直す
- 公式診断: Settings → Network → Run Diagnostics でどの通信が失敗しているか特定する
- 接続エラーなら: HTTP互換モードをHTTP/1.1に切り替え、VPN・プロキシを見直す
- それでも不可なら: サインインし直し・拡張機能の無効化・キャッシュ削除・本体更新・使用量の確認
ポイントは、再インストールのような影響の大きい操作に飛びつく前に、診断機能で「どこで止まっているか」を突き止めることです。原因を1系統に絞れれば、Cursorの応答トラブルはほとんど自力で解決できます。

