Teams会議のAI議事録を自動作成することは、議事録作成にかかる時間と労力を大幅に削減し、会議の本質的な議論に集中できる環境を整えます。本記事では、Microsoft Copilotを活用する方法から、Copilotが利用できない場合の代替ツールまで、具体的な使い方やよくある課題とその対処法を詳しく解説します。
1. Teams会議でAI議事録を自動作成できる仕組み
Teams会議でAI議事録を自動作成する主な仕組みは、大きく分けてMicrosoftの公式機能であるCopilotを利用する方法と、サードパーティ製のAI議事録ツールを連携させる方法の2つがあります。それぞれの方法には特徴があり、利用環境や目的に応じて選択することが重要です。
Microsoft Copilotを使う場合の要件(ライセンス説明)
Microsoft Copilotは、Microsoft 365の各種アプリケーションと連携し、AIによる高度なサポートを提供する機能です。Teams会議においては、会議の内容をリアルタイムで文字起こしし、要約、タスク抽出、質疑応答の整理などを自動で行います。
CopilotをTeams会議で利用するには、以下のライセンス要件を満たす必要があります。
- Copilot for Microsoft 365のライセンス: 2026年現在、月額4,497円/ユーザーの追加ライセンスが必要となります。
- Microsoft 365 Business StandardまたはEnterprise以上のライセンス: Teamsを含むMicrosoft 365の基本的なサブスクリプションが前提となります。
Copilotは、Teamsの標準文字起こし機能と連携して動作するため、会議中に文字起こしを有効にすることで、AIがそのデータを活用して議事録を生成します。この機能により、会議の効率化と情報共有の迅速化が期待できます。
サードパーティAIツールで代替する方法
Copilot for Microsoft 365のライセンスがない場合や、特定の機能に特化したツールを利用したい場合は、サードパーティ製のAI議事録ツールをTeams会議に連携させる方法が有効です。
これらのツールは、多くの場合、会議に「ボット」として参加し、音声データを文字起こし・解析します。その後、独自のAIモデルを使用して要約やタスク抽出を行い、専用のダッシュボードやレポートとして出力します。Teamsとの連携方法はツールによって異なりますが、会議URLを共有したり、専用のアプリをTeamsに追加したりする形式が一般的です。
ツール比較表(無料・有料)
Teams会議のAI議事録ツールとして、主要なものを比較します。利用料金は2026年最新のものです。より多くの無料ツールを知りたい場合は、無料で使えるAI議事録ツール比較(6選)の記事もご参照ください。
| ツール名 | Teams連携 | 主な機能 | 料金プラン(2026年最新) | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| Microsoft Copilot | 標準機能 | リアルタイム文字起こし、要約、タスク抽出、質疑応答 | Copilot for Microsoft 365: 月額4,497円/ユーザー | Microsoft 365と完全統合。会議の文脈を理解し、高度なAIアシスタント機能を提供。 |
| Notta | ボット参加/画面共有 | 高精度文字起こし(日本語に強み)、要約、話者分離 | 無料プラン: 月90分 Pro: 月1,188円 |
日本語の文字起こし精度が高く評価されている。手軽に利用開始可能。 |
| tl;dv | ボット参加/Chrome拡張 | 文字起こし、要約、ハイライト作成、タイムスタンプ | 無料プラン: 制限あり Pro: 月29ドル |
会議の重要な部分を素早く共有できる機能が充実。Zoom会議にも対応。 |
| Otter.ai | ボット参加/Chrome拡張 | 高精度文字起こし、要約、キーワード抽出、話者分離 | 無料プラン: 月300分 Pro: 月17ドル |
英語会議での利用に特に強み。多言語対応も進む。 |
2. Teams × Copilot でAI議事録を始める手順【ステップ別】
ここでは、Microsoft Copilot for Microsoft 365を導入している前提で、Teams会議でのAI議事録自動作成の手順を解説します。
ステップ1:Copilot有効化の確認と設定
- 管理センターでの設定確認: 組織のMicrosoft 365管理者は、Copilot for Microsoft 365のライセンスが適切に割り当てられているか、またTeamsでのCopilot機能が有効になっているかを確認する必要があります。通常、ライセンスが割り当てられれば自動的に有効になりますが、ポリシーで制限されている可能性もあります。
- Teamsアプリの設定確認: ユーザー自身は、Teamsアプリの設定で「文字起こし」機能が有効になっていることを確認します。これはCopilotが会議内容を分析するための基盤となります。通常はデフォルトで有効ですが、プライバシー設定などで無効になっている場合もあります。
これらの設定が完了していれば、Teams会議でCopilotの機能を利用する準備は整っています。
ステップ2:会議中の議事録生成
- Teams会議を開始: 通常通りTeams会議を開始します。
- 文字起こしを開始: 会議が開始されたら、Teamsの会議コントロールバーにある「…(その他)」メニューから「文字起こしを開始」を選択します。これにより、会議中の会話がリアルタイムで文字起こしされ、Copilotがそのデータを活用できるようになります。
- Copilotの起動: 会議中にCopilotを利用するには、Teamsの画面右側にあるCopilotアイコンをクリックします。Copilotチャットパネルが表示され、リアルタイムで質問を投げかけたり、要約を要求したりできます。例えば、「ここまでの議論の主要なポイントを教えて」と入力すると、Copilotが即座に回答を生成します。
Copilotは、会議中の発言をリアルタイムで分析し、要点やタスク候補を提案することが可能です。これにより、会議中に重要な情報を整理し、議論の方向性を確認することができます。
ステップ3:会議後の要約エクスポート
- 会議録の確認: 会議が終了すると、Teamsのチャネルまたは会議の「チャット」タブに、会議の文字起こしとCopilotが生成した要約が自動的に保存されます。
- 要約の確認と編集: 生成された要約は、会議の主要なトピック、決定事項、アクションアイテムなどが含まれています。必要に応じて内容を確認し、修正を加えることができます。
- エクスポート: 要約された議事録は、WordドキュメントやOneNoteなど、様々な形式でエクスポート可能です。これにより、社内での共有や保管が容易になります。
- アクションアイテムの活用: Copilotが抽出したアクションアイテムは、Microsoft PlannerやTo Doと連携させることで、タスク管理を効率化することも可能です。
Copilotを活用することで、会議後の議事録作成にかかる時間を大幅に短縮し、より迅速な意思決定と行動へと繋げることができます。
3. Copilot非対応・有料不可のときの代替ツール3選
Microsoft Copilotの導入が難しい場合でも、Teams会議のAI議事録を自動作成できるサードパーティツールは多数存在します。ここでは、特におすすめの3つを紹介します。
Notta(無料プランあり)
Nottaは、高精度な文字起こしとAI要約機能に定評のあるツールです。特に日本語の認識精度が高く、多くの日本企業で利用されています。Teams会議では、Notta Botを会議に招待することで、自動的に会話を文字起こしし、議事録を生成します。
- 特徴:
- 日本語に特化した高い文字起こし精度。
- リアルタイム文字起こしとAI要約機能。
- 話者分離機能により、誰が何を話したか明確に表示。
- 豊富なエクスポート形式(テキスト、Word、Excel、PDFなど)。
- 料金(2026年最新):
- 無料プラン: 月90分の文字起こしが可能。
- Proプラン: 月額1,188円(年間契約の場合)。より長時間の利用や高度な機能が利用できます。
手軽に始められる無料プランがあるため、まずは試してみてその精度を実感することをおすすめします。
tl;dv(Zoomも使える)
tl;dvは、会議の録画・文字起こし・要約をまとめて行えるツールです。特に、会議の重要なポイントをハイライトとして記録し、共有する機能が充実しています。Teams会議には、専用のボットを招待するか、Chrome拡張機能を利用して参加させることができます。
- 特徴:
- 会議の録画と文字起こしを同時に実行。
- AIによる自動要約と、主要な瞬間をタグ付けして共有する機能。
- 議事録にタイムスタンプが自動で付与され、特定の議論箇所へ瞬時にアクセス可能。
- Zoom会議にも対応しており、Zoom会議のAI自動議事録ツール比較の記事も参考に検討してみるのも良いでしょう。
- 料金(2026年最新):
- 無料プラン: 制限あり(録画時間、保存期間など)。
- Proプラン: 月額29ドル。無制限の録画と高度な機能が利用できます。
会議の要点を素早く共有し、チーム内の情報格差を減らしたい場合に特に有効なツールです。
Otter.ai(英語会議向け)
Otter.aiは、主に英語圏で高い評価を得ているAI文字起こし・要約ツールです。英語の会議が多い国際的なチームや、英語学習者にも人気があります。Teams会議には、Otter Assistantとして参加させることが可能です。
- 特徴:
- 英語の文字起こし精度が非常に高い。
- リアルタイム文字起こしとAIによる自動要約。
- キーワード抽出や話者分離機能。
- Web会議ツールとの連携が豊富。
- 料金(2026年最新):
- 無料プラン: 月300分の文字起こしが可能。
- Proプラン: 月額17ドル。より長時間の利用や高度な機能が利用できます。
英語での会議が頻繁にある企業やフリーランスの方には、非常に強力なサポートツールとなるでしょう。
4. AI議事録でつまずく「よくある失敗・落とし穴」【独自性ブロック】
AI議事録ツールは便利ですが、導入時にいくつか注意すべき点や、つまずきやすいポイントが存在します。これらを事前に把握し、適切に対処することで、スムーズな運用が可能になります。
文字起こし精度が低い原因と対処
AI議事録ツールの文字起こし精度は日々向上していますが、完璧ではありません。特に以下のような状況では精度が低下しやすい傾向があります。
- 原因:
- 環境ノイズ: 周囲の雑音、BGM、エコーなどが混入すると、AIが音声を正確に認識しにくくなります。
- 複数人同時発言: 複数の人が同時に話すと、AIが話者を分離しきれず、内容が混ざってしまいます。
- 専門用語・固有名詞: AIが学習していない業界特有の専門用語や固有名詞は、誤認識されやすいです。
- 発音・方言: 不明瞭な発音や強い方言も、文字起こし精度に影響を与えます。
- 対処:
- 高品質なマイクの使用: ノイズキャンセリング機能付きのマイクや、会議室用のマイクスピーカーを利用することで、クリアな音声をAIに提供できます。
- 発言ルールの徹底: 一度に一人が話す、発言前に名乗るなどのルールを設けることで、話者分離の精度を高めます。
- 専門用語の事前登録: 多くのツールでは、辞書機能や用語集登録機能があります。頻繁に使う専門用語や固有名詞は事前に登録しておくと良いでしょう。
- 手動修正の前提: AIはあくまで補助ツールであり、最終的な議事録は人間が確認・修正するという前提を持つことが重要です。より詳細な精度比較については、AI文字起こしツールの精度比較(2026年版)もご参照ください。
会議録が保存されない・見つからない
せっかく作成された議事録が見つからない、または保存されていないという事態は、大きな問題です。
- 原因:
- 設定ミス: ツール側の保存設定が適切でなかったり、Teamsの文字起こし機能がオフになっていたりする場合があります。
- 保存場所の不理解: 議事録がどこに保存されるか(Teamsのチャット、OneDrive、SharePoint、各ツールのダッシュボードなど)を把握していない。
- 保持期間の終了: 無料プランや一部の有料プランでは、議事録の保存期間に制限がある場合があります。
- 参加者の権限不足: ツールによっては、会議主催者や特定の権限を持つユーザーのみが議事録にアクセスできる場合があります。
- 対処:
- 事前設定の徹底: 会議前に必ず文字起こし・録画設定を確認し、必要に応じてテスト会議を実施します。
- 保存場所の共有: 議事録の保存先をチーム内で明確にし、アクセス方法を共有しておきます。
- 定期的なバックアップ: 重要な議事録は、ローカルや別のクラウドストレージに定期的にエクスポートしてバックアップを取ることを検討します。
- 管理者への問い合わせ: TeamsのCopilot機能や文字起こし機能に関する問題は、IT管理者やヘルプデスクに問い合わせるのが確実です。
情報漏えいリスクを見落としがち
AI議事録ツールはクラウドサービスであるため、情報セキュリティに関するリスクも考慮する必要があります。
- リスク:
- クラウド保存: 会議の内容が外部のクラウドサーバーに保存されるため、そのサーバーのセキュリティレベルに依存します。
- 第三者ツールの利用: サードパーティツールを利用する場合、そのツールのプライバシーポリシーやデータ取り扱い方針を十分に理解していないと、意図しない情報共有が発生する可能性があります。
- アクセス権限の管理不足: 議事録へのアクセス権限が適切に設定されていないと、部外者にも情報が閲覧されてしまうリスクがあります。
- 対処:
- セキュリティポリシーの確認: 利用するAI議事録ツールが、自社の情報セキュリティポリシーや業界の規制(GDPR、ISO 27001など)に準拠しているかを確認します。
- SSO/MFAの利用: シングルサインオン(SSO)や多要素認証(MFA)を導入し、不正アクセスを防ぎます。
- アクセス権限の厳格化: 議事録の共有範囲を最小限にし、閲覧・編集権限を適切に設定します。
- 機密会議での利用制限: 特に機密性の高い会議では、AI議事録ツールの利用を避けるか、オフラインでの利用を検討するなど、リスクに応じた運用ルールを設けます。
5. AI議事録を仕事で活かすための応用術
AI議事録は、単に会議内容を記録するだけでなく、その後の業務プロセスを効率化するための強力なツールとなり得ます。ここでは、さらに一歩進んだ活用方法を紹介します。
要約をSlackやメールへ自動転送する
会議の要約や決定事項を、関連メンバーに迅速に共有することは、情報伝達の遅延を防ぎ、次のアクションへの移行をスムーズにします。AI議事録ツールによっては、SlackやMicrosoft Teamsのチャネル、またはメールへの自動転送機能を備えているものがあります。
例えば、Microsoft Power Automate(旧Microsoft Flow)のようなRPAツールを利用すれば、Teams会議終了後にCopilotが生成した要約をトリガーとして、特定のSlackチャンネルに自動投稿したり、関係者にメールで通知したりするワークフローを構築できます。これにより、手動での情報共有の手間を省き、タイムリーな情報共有を実現します。
タスク抽出・アクションアイテム管理
会議で決定されたアクションアイテムや担当者、期日などをAIが自動で抽出し、それをタスク管理ツールと連携させることで、タスクの実行漏れを防ぎ、プロジェクトの進捗管理を効率化できます。
Copilotは、Teams会議内で「〇〇さんに△△をお願いします」といった発言を認識し、自動的にタスク候補として抽出する機能を持っています。これらのタスクは、Microsoft PlannerやMicrosoft To Doなどのツールに連携させることが可能です。また、サードパーティツールでも、API連携やZapierなどの連携サービスを介して、Asana、Trello、Jiraといったプロジェクト管理ツールにアクションアイテムを自動登録する設定が可能です。会議で決まったことをすぐにタスク化し、担当者に割り振ることで、実行力を高めることができます。
議事録テンプレートで社内標準化する
AI議事録ツールは、自然言語処理の能力を活用して、特定のフォーマットに沿った議事録を生成することも可能です。社内で議事録のテンプレートを標準化することで、情報の一貫性を保ち、後から参照しやすくする効果があります。
例えば、Copilotに「議事録を以下の項目に沿って要約してください:1.本日の議題、2.決定事項、3.アクションアイテム(担当者・期限)、4.次回の会議予定」といったプロンプトを与えることで、常に統一された形式の議事録を得ることができます。これにより、議事録作成者の負担を軽減しつつ、品質のばらつきを抑えることが可能になります。
AIツールだけでは対応が難しい議事録作成や、より高度な会議運営サポートが必要な場合は、オンラインアシスタントサービス「フジ子さん」のような選択肢も検討に値します。AIと人間の連携で、より質の高い議事録作成と業務効率化を目指せるでしょう。
まとめ:TeamsのAI議事録、どこから始めるか
Teams会議でのAI議事録自動作成は、ビジネスパーソンやフリーランスにとって、会議の生産性を高め、業務効率を向上させる強力な手段です。
選択肢としては、Microsoft 365環境に完全に統合されたCopilot for Microsoft 365が最も包括的な機能を提供しますが、ライセンス費用がかかります。Copilotの導入が難しい場合は、Notta(日本語に強み)、tl;dv(ハイライト共有に優れる)、Otter.ai(英語会議に最適)といったサードパーティ製のAI議事録ツールが優れた代替手段となります。
導入にあたっては、文字起こし精度、保存場所、情報セキュリティといった「よくある失敗・落とし穴」を事前に把握し、適切な対策を講じることが重要です。また、単なる議事録作成にとどまらず、要約の自動転送、タスク抽出、議事録テンプレートの活用といった応用術を取り入れることで、AI議事録の真価を最大限に引き出すことができます。
まずは無料プランのあるツールから試してみるか、Copilotの試用版を利用してみるなど、自身の環境やニーズに合った方法でTeamsのAI議事録活用を始めてみてはいかがでしょうか。

